今、パワーファミリーなど年収の高い家族連れに人気なのが、宿泊や飲食、アクティビティーやキッズプログラムへの参加など滞在中の経費をすべて含む「オールインクルーシブ」と呼ばれる旅行だ。

 「食事中に海外スタッフが隣に座って、一緒に食事したり、手品をしたりしてくれて子供も喜んでいました。また必ず行きたい」。2023年5月、夫と5歳の娘の家族3人で北海道に2泊3日の旅行に出かけた東京都に住む40代女性は満足げに振り返る。娘はインターナショナルスクールに通っている。

英語教育にも活用

 女性が滞在したのは、仏リゾート大手クラブメッドの日本法人(東京・品川)が運営する「クラブメッド北海道トマム」。同施設滞在中、最大級のインドアウエーブプールや温泉、雲海を楽しめるテラスが利用できる。

 クラブメッドは1950年に欧州で始まり、オールインクルーシブの旅行を提供してきたパイオニアだ。業界で初めて、託児サービスを提供する「キッズクラブ」をリゾート内に併設するなど、家族が楽しめる旅行を追求してきた。世界25カ国、80カ所以上に施設を展開。日本には北海道と沖縄・石垣島にホテルがある。

 ホテル内のスタッフとの会話は基本的に英語。食事は世界の料理を堪能できる。滞在中は子供を専門スタッフに預けたり、キッズ体験に参加させたりして、親はヨガやスパなどを利用できる。夜、夫婦が子供を専用施設に預けて、バーでゆっくりお酒を飲むこともできる。

 料金は例えば、今年6月、大人2人子供2人の計4人でクラブメッド北海道トマムに2泊した場合、11万円前後。決して安くないが「子供の英語の勉強にもなる上、異国のリゾート気分を日本で味わえるなら、コスパがいい」との評価を得ているようだ。

夏場には北海道の大自然を楽しむアクティビティーもある(写真=クラブメッド提供)
夏場には北海道の大自然を楽しむアクティビティーもある(写真=クラブメッド提供)

 23年の国内施設の売上高、宿泊数はそれぞれ前年比で約2割増加。北海道で同社が運営する新たなホテルが開業したこともあり、日本人客は、新型コロナウイルス禍前の19年と比べて倍増した。夏に避暑地のリゾートとして利用する家族が多くなったという。

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