ONIGOの即時宅配スーパー「OniGO」は、2024年1月、イトーヨーカ堂のイトーヨーカドーおよびヨーク店舗との協業を本格的に開始した。これにより、OniGOは東京23区全域へのサービスの提供が可能になった。ONIGO、イトーヨーカ堂双方にとってのこの協業の狙いを探った。

即時宅配スーパー「OniGO」の配送区域が23区全域に拡大
即時宅配スーパー「OniGO」の配送区域が23区全域に拡大

 「鬼速で届く宅配スーパー」とうたうOniGOは、スマートフォンアプリまたはウェブサイトから最大約8000種類の食料品や日用品を購入し、最短20分で注文商品を自宅で受け取ることができる、「クイックコマース」に分類されるサービスだ。

 ONIGO(オニゴー、東京・世田谷)取締役共同創業者の山本敬明氏は「一般的なネットスーパーは配送が翌日以降になるのに対し、OniGOは必ず当日に商品が届く」と同サービスの強みを話す。

 その仕組みは、注文を受けると、提携先のスーパーに常駐している「ピッカー」と呼ばれる担当者が、スタッフ用のスマホアプリに表示された商品を、指示通り店頭の棚から集めて(ピッキングと呼ぶ)、自宅まで配送するというもの。店内で一般客に交じって商品を手に取っているので、「スーパーに行けばOniGOのオレンジ色のジャケットを着たスタッフに会うかもしれない」と山本氏。

「ダーク」が「グレー」になる意図

 OniGOの始まりは「ダークストア」モデルのクイックコマースサービスだった。

 ダークストアとは、一般客が訪れることがないスーパー型の配達拠点を持ち、そこでスタッフが商品をピッキングして、配達するというECのビジネスモデル。店舗を一般客向けに公開しない分、維持費が抑えられることがメリットだ。

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 しかし、そんなOniGOが、近年様々なスーパーとの提携を進めている。例えば、23年8月にはいなげやと、23年11月には名古屋市を中心に展開するアオキスーパー(名古屋市)と提携。そして今回、イトーヨーカ堂との協業を本格的に開始した。

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