NRIセキュアテクノロジーズは2024年1月25日、日本と米国、オーストラリアの3カ国の企業を対象とする、情報セキュリティーに関する実態調査の結果を発表した。国別に生成AI(人工知能)サービスの導入状況と、利用に関して設定しているセキュリティールールなどについて調査した。導入状況について日本は、米国とオーストラリアに大きく水をあけられている現状が明らかになった。

 生成AIサービスの導入状況について、セキュリティールールを「整備の上、導入済み」、または「整備していないが導入済み」と回答した割合の合計は、日本が18.0%だった。同じ回答の割合は米国で73.5%、オーストラリアで66.2%と、いずれも日本と比べ生成AIサービスの導入率が高かった。導入していない理由として「利用禁止のため未導入」と回答した割合は日本で10.1%だったのに対し、米国は0.9%、オーストラリアは2.0%と、生成AIサービスの導入に対し日本企業は慎重な姿勢であることが分かった。

生成AIサービスのルール整備と導入の状況
生成AIサービスのルール整備と導入の状況
(出所:NRIセキュアテクノロジーズ)
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 生成AIサービスの利用に関するセキュリティールールについて、「整備の上、導入済み」「整備の上、導入予定」と回答した企業に対して、どのようなルールを整備済みまたは整備予定かについて複数回答で尋ねた。日本で最も多かったのが「機密情報を入力してはいけないルールを定めている」の59.2%だったのに対し、米国は「利用時の承認プロセスを整備している」の61.6%、オーストラリアは「定期的に利用しているサービスを確認している」の51.0%がそれぞれ最多だった。

生成AIサービスの利用に関する整備済み、または整備予定のセキュリティールール
生成AIサービスの利用に関する整備済み、または整備予定のセキュリティールール
(出所:NRIセキュアテクノロジーズ)
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