2023年6月、政府は「女性版骨太の方針2023」を決定した。多様性が尊重される社会を実現するために推進する具体的な取り組みのうち、第1に掲げたのが「女性活躍と経済成長の好循環の実現に向けた取り組みの推進」。女性登用を加速すべく、各企業における行動計画の作成を促すという。では、企業では現時点で、どのような女性活躍の施策が進められているのか。日経WOMANが2023年に実施した「企業の女性活用度調査」の結果を基に確認していこう。
※記事中の図版の数値は、すべて四捨五入している。そのため、グラフの合計が100%になっていない場合がある。
経営理念に「女性活躍推進」盛り込む企業が8割
女性活躍・ダイバーシティに取り組む企業が増える中、日経WOMANが23年1~2月に実施した「企業の女性活用度調査」では、回答企業512社に対して、各社の経営理念について聞いた。女性活躍推進について経営理念に「盛り込んでいる」と答えた企業は、全体の80%。2年前の調査では71%、前年は78%で、着実に比率は向上している。
とはいえ、一方で多様性推進を経営理念に盛り込んでいない企業が、いまだに21%ある。政府から女性版骨太の方針2023が示された今、こうした企業もいつまでも静観してはいられないのではないか。
業界別では、経営理念に「盛り込んでいる」と回答した企業の割合が最も高いのは「保険・証券・その他金融」で87%(「その他」を除く)。前回の調査から8ポイント上昇した。次は「情報・通信」(86%)で、前回の調査から4ポイント増えた。
逆に最も「盛り込んでいる」企業の割合が低かったのは「卸売・小売」で66%にとどまる(前回は64%)。次に低い「食料品」(68%)とともに、7割を切っている。