高学年ともなると、子ども本人にお金や電子マネーを持たせている家庭もあるのではないでしょうか。しかし、知らない間に友達同士でおごりあったり、買い物をしたりしているケースも。今は少額だとしても、いずれそれが大きな額となり、トラブルになる心配はないのでしょうか。子どものマネー教育に詳しい、ファイナンシャルプランナーでキッズ・マネー・ステーション代表の八木陽子さんに聞きました。

【年齢別記事 小学校高学年のママ・パパ向け】
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小学生のお金トラブルが増えている

 塾や習い事の交通費などとして、子どもにお金や電子マネーを持たせている家庭も多いのではないでしょうか。しかし、子ども同士でお菓子や飲み物をおごりあったり、買い物をしたりして、知らない間に残金が減っている場合もあるかもしれません。親の見ていないところでお金を使っていると、その金額がいずれ大きくなり、トラブルに発展することはないのでしょうか。

 現に最近では小学生が同級生から「価値が上がるメダルだから」などと言われて約90万円をだましとられたり、父親がためた小銭貯金約90万円を「娘と娘の友達が持ち出した」として娘の友達の親を訴える裁判が起きたりもしています。

 こうした状況に対し、ファイナンシャルプランナーでキッズ・マネー・ステーション代表の八木陽子さんは「子どものお金トラブルが低年齢化している」と言います。

 「都市圏ほどキャッシュレス化が進んでおり、塾通いなどのために電子マネーアプリが入ったスマートフォンや電子マネーカードを持ち歩いている小学生が増えています。早くからキャッシュレス化の波を受けているため、『お金=現金』『お金=大事なもの、重みのあるもの』といった価値観がどんどん薄れてきているように感じます。いつでも手軽に使えるといった感覚が、トラブルの背景にあると感じています。『ライトなやり取り』が『深刻なトラブル』につながる心配もあります」

 しかし、子どもに財布やスマホ、電子マネーを持たせないわけにはいかない家庭もあります。子どもへのマネー教育はどこから始めればいいのでしょうか。

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・子どもを取り巻くマネー環境は様変わりしている
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