転職成功者たちの「転職の流儀」を紹介する本連載。今回登場するのは、4回の転職歴と3回の休職歴を持つ吉沢拓さんです。システムエンジニアとしてキャリアが始まり、メルカリなどを経て、現在は人事職で活躍しています。上編では、人事職を志したきっかけから念願の人事職に就くまでと、「自分はこの世から去るべきだ」という絶望のどん底をどのように乗り越えられたのかについて聞きました。

(上)自分は世から去るべき…休職3回目で知ったギフテッド、人生が一変 ←今回はココ
(下)休職3回→3度目の転職で「強みを生かせる会社」を見つけられた訳

 大学卒業後、システム開発会社にシステムエンジニア(SE)として入社したが、ある経験を機に「より多くの人に幸せに働いてほしい」と、人事職へのキャリア転換を決めた吉沢拓さん(37歳)。すぐに人事職に就くのは難しいと判断し、戦略的にキャリアプランを設計。メルカリなど4回の転職を経て、現在は人事データ分析を専門とするピープルアナリストとして活躍中です。

 実は、吉沢さんは3回の休職を経験。原因は人間関係でした。上司や同僚と衝突してしまうのは自分のせいだ、と自分を責めていたところ、3回目の休職中に、自身が1つあるいはそれ以上の分野において突出した能力を持つ「ギフテッド」であることを知りました。そして、その特性がこれまで苦悩してきた要因だったと気付いたそう。3回目の転職活動以降は、自分の能力を発揮できる環境に身を置くために面接であることを実践するようになったといいますが、それは一体何なのか。吉沢さんの転職の流儀に迫ります。

「人事職を目指すことを決意してから、ピボットを繰り返し、5年ごしに人事職に就くことができました」
「人事職を目指すことを決意してから、ピボットを繰り返し、5年ごしに人事職に就くことができました」

働く環境は大事と実感…SEから人事目指す

編集部(以下、略) SEとしてキャリアを築く中で、人事職を目指したいと思ったきっかけは何ですか?

吉沢拓さん(以下、吉沢) 委託先管理の業務がきっかけでした。新卒で入社した企業では、SEとはいえプログラミングをするというより、委託先の管理が主な業務でした。私が担当していた委託先の1つに、進捗が遅れていたり、システムにバグが多発するなど品質が芳しくなかったりする企業があり、上司からは厳しく管理するよう指示されていました。しかし、個人的に何かが引っかかっていたというか、根本的な問題は委託先にはないように感じたんです。

 そこで委託先に話を聞いてみると、無駄な業務が多く、当社の発注方法にも問題があることなどが発覚。それらの問題を一つひとつ解決するにつれて、システムの品質が改善し、委託先からも「仕事がしやすくなりました。このプロジェクトはやばいと聞いていたのですが、吉沢さんの下でよかったです」とお礼を言ってもらえました。このときに働く環境は大事で、それ次第で人が豊かに働けるかどうかが変わると実感して、より多くの人が幸せに働ける環境をつくりたい、と人事職を目指すようになりました。

―― 新卒で入った会社での経験から人事職を目指すようになったのですね。なぜ2社目は人事職ではなく、社内SEを選んだのですか?