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生成AI活用で従業員エンゲージメント強化

生成AI(人工知能)の登場で企業の従業員の働き方が大きく変わろうとしている。企業はこうした変化をどう捉え、新たなテクノロジーをどのように活用していけばいいのだろうか。最先端のソリューションを提供し続けてきた日本マイクロソフト 業務執行役員 エバンジェリストの西脇資哲氏と、企業に寄り添いIT活用をリードしてきたキンドリルジャパン デジタルワークプレース事業部の秋吉香織氏に、ノンフィクションライターの酒井真弓氏が話を聞いた。

従業員が選べる環境を用意することが必要に

酒井 従業員の働き方を取り巻く課題はどこにあるのでしょうか。

秋吉 新型コロナ感染症が5類になって出社して働くケースが増えてきましたが、在宅勤務という働き方を経験してきた今、在宅でも出社でも働けるハイブリッドワークの環境が強く求められています。社員が自分らしく働くことができて生産性を高められる環境を、ITを活用して構築することで一人ひとりの働き方は大きく変わっていきます。

秋吉 香織 氏 キンドリルジャパン株式会社
理事 デジタルワークプレース事業部
秋吉 香織

 そのためには3つのフリーが必要と考えています。場所を選ばずどこにいても働ける「ロケーションフリー」、自分が得意とする端末を使うことができる「デバイスフリー」、そしてセキュリティなどの制約を気にすることなく力を発揮できる「リミテーションフリー」です。どこにいても企業から守られた状態で仕事ができる環境が必要です。

西脇 確かにそれらがフリーな状態になっていれば、従業員は自分が最も高い生産性を発揮できる働き方を選ぶことができますね。家のほうが仕事がしやすかったり、夜のほうがより集中できたりと、従業員によってそれぞれ得意とするスタイルは違います。デバイスなども自分が普段から使っているもののほうが使いやすいのは当然です。

西脇 資哲 氏 日本マイクロソフト株式会社
業務執行役員 エバンジェリスト
西脇 資哲

 今、生成AIが注目されていますが、1段目としてセキュリティを担保しながら従業員にフリーな選択肢を与えて柔軟な働き方を実現し、そのうえで生成AIでもっと生産性を高められる仕組みを提供していくことが企業のシステム部門に求められていると考えています。

「もの探し」はITに任せて組織全体の底上げを図る

酒井 企業は生成AIのような新しいテクノロジーをどのように活用していくべきでしょうか。

秋吉 日本企業の従業員は働く時間の52%を「もの探し」に費やしているというデータがあります。クリエイティブに仕事をするには、まず情報を入手する必要があるわけですが、こうした情報収集は生成AIが得意とする領域です。そこを生成AIに任せることで、生産性は劇的に向上するはずです。

西脇 ここ数年はコロナ禍で出社ができないために、隣の人に気軽に聞いたりできない時期もありました。ITはそこを十分に支えられるように進化してきました。Microsoft 365やMicrosoft Teamsを使うことで人と情報に素早く到達することができるのです。さらに副操縦士という意味の「Copilot」という生成AIを組み込むことで日々の業務をきめ細かくサポートできるようになります。

 ITが効果を発揮するのは個人の生産性の向上だけではありません。チームとして働くときの様々な問題の解決にも貢献できます。キーワードは「共有」です。チームで議論するための資料や生まれてきたアイデアはもちろん、感情も経験も共有する仕組みをITで提供することができます。それらを共有することで組織全体の力を上げていくことができます。

酒井 今まで経験や勘に頼っていた部分があり、そこで優位性を保つということもあったと思うのですが。

酒井 真弓 氏 ノンフィクションライター
酒井 真弓

西脇 経験は大事ですが、それをより多くの人と共有したほうが企業全体の生産性を上げることにつながります。そのためには共有することを全員が称賛するソーシャルメディアが持っているような仕組みも必要です。他の人から評価されることで、自分が役立っているという気持ちが持てればエンゲージメントも向上します。

秋吉 エンゲージメントは単純に従業員満足度を高めることで向上するものではありません。従業員同士が良い影響を与え合っているという信頼関係があれば、この会社でももっと働こう、もっと力を発揮しようと考えるようになります。その仕組みを変革するうえでの軸は、従業員という「人」に置いて考えるべきです。

西脇 マイクロソフトでは、個人間で称賛のメッセージを送り合ったり、活躍した人に個人間でコーヒーのギフトをワンクリックで気軽に送り合ったりできる仕組みが社内のITシステムとして存在します。これは人事が考案したものであり、従業員エンゲージメントを重視する会社の経営戦略の一つでもあります。

秋吉 それがデジタルの仕組みで簡単にできるというのは素晴らしいことですね。エンゲージメント向上に向けた人事の施策は、DXの取り組みと表裏一体で行っていかなければならないと思います。

社内インフルエンサーがIT活用をドライブさせる

酒井 軸を「人」に置いた変革とはどのようなものでしょうか。

秋吉 会社の中で異動があり、これまでのアクセス権限が取り上げられて今まで見ることができていた情報が見られなくなったりすると、従業員がこれまで培ってきたナレッジが生かせなくなります。これは「情報」に軸を置いていることが原因です。それでは企業としてのナレッジが活用できませんし、従業員のエンゲージメントも向上しません。

 従業員の視点から情報にたどり着きやすい仕組みにITシステム側も変革しなければなりません。軸はあくまでも従業員にあることがエンゲージメントの肝になります。

西脇 Microsoft Vivaではエンゲージメントが可視化され、一緒に共同作業をした人たちの距離がそれぞれ出てきます。時系列でコラボレーションした人のグラフが表示され、それをクリックするとどのようなミーティングをしたのかがわかり、さらにそこで出た意見や決定事項などを生成AIに聞くことができるのです。

秋吉 従業員エンゲージメントという軸で考えると、どのようなデジタル体験を提供するかが重要です。ただ、求めるテクノロジーは人によって異なりますから、企業のペルソナを分析し、生産性を向上させるための指標を一緒に決めたうえで新たなテクノロジーを導入するというフェーズを踏んでいきます。

 テクノロジーの導入にあたってはちょっとした工夫も必要です。効果的なのは社内にインフルエンサーをつくることです。そのテクノロジーを広めたいと思うインフルエンサーが社内向けに動画を配信することが、現場に受け入れられる推進力になります。

西脇 私は社外向けのエバンジェリストですが、広めたいという気持ちがすごく大切だと思っています。Microsoft 365では、SNSのように簡単に動画をアップして社内で共有することができます。硬くならずにカジュアルに取り組むことが秘訣ですね。

秋吉 当社ではインフルエンサーを生み出すきっかけとなるコミュニティーの立ち上げもお手伝いしてきました。他社の成功事例を提供できることも強みです。

強力なパートナーシップで企業経営を支えていく

 マイクロソフトとキンドリルは、ハイブリッドクラウドの導入、ワークプレースのモダナイゼーションなど、互いの強みを生かした強力なパートナーシップを結んでいる。西脇氏は「当社は優れた技術とサービス、プロダクトをお客様に提示させていただき、経営のお役に立つことを目標としています。そのために全ての地球上の組織がより多くのことを成し遂げられるように日々頑張っていますが、お役に立つためにはお客様に最も近い存在が必要です。それがキンドリルです」と語る。

 キンドリルは長年にわたって顧客の中に入り、運用からゴールまでを支えてきた。西脇氏は「キンドリルはどんな商品をどう提供すればお客様が満足するのかを熟知しています。当社はこれからも重要なパートナーとして、お客様への『ラストワンマイル』を埋めるお手伝いをしていただくことを期待しています」と話し、キンドリルの秋吉氏は「お客様の近くにいる立場として、優れた技術をお客様企業のIT 部門だけでなく人事部門や他のビジネス部門の課題解決へと橋渡しをしていくとともに、どんなお客様の声でもマイクロソフトに伝えてニーズをフィードバックしていきます。マイクロソフトには高い技術力でその期待に応えてくれることを期待しています」と語る。

 両社の強力なパートナーシップが企業のビジネスモデルを変革し、経営を支えていく。先進技術を提供するマイクロソフトと、長年にわたって企業の保守・運用を支えてきたキンドリルの運用経験。この組み合わせによるデジタル変革は、今後も企業経営に大きなメリットをもたらすことになるだろう。

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