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大須賀明

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

大須賀 明(おおすが あきら、1934年1月21日 - 2015年12月23日[1])は、日本法学者。専門は憲法学位は、法学博士(早稲田大学・論文博士・1984年)(学位論文「生存権論」)。早稲田大学名誉教授。元早稲田大学比較法研究所所長。元司法試験第二次試験考査委員(憲法)。神奈川県横浜市出身。女優・十朱幸代は母方の従妹。

学説

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特に社会権関係の研究で知られる。生存権について具体的権利説を推進した。具体的権利説によれば具体的な立法(例えば生活保護法)が存在しなくとも、直接憲法25条によって司法に訴えることが出来ることになる。大須賀の具体的権利説の場合は、立法権(国会)に対してその最高機関性をなるべく侵害しない形で、作為を義務づけるのではなく、不作為の違憲確認訴訟を起こすことにその意義がある。

略歴

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1958年早稲田大学第一法学部卒業、1966年同大学院法学研究科博士課程満期退学。1964年早稲田大学法学部助手、1967年専任講師、1969年助教授、1974年教授、1984年早稲田大学より法学博士学位を取得。1985-86年ハーバード大学客員研究員。1993-97年早稲田大学比較法研究所所長、2004年早稲田大学を退任、名誉教授東洋大学法科大学院教授、2007年退任。

主な役職

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  • 1977年 全国憲法研究会運営委員
  • 1978年 早稲田大学商議員
  • 1989年 日本公法学会理事
  • 1996年 全国憲法研究会代表(~1998年)
  • 1999年 国際憲法学会理事

著書

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共編著・編著

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  • 『日本の憲法問題 平和憲法と憲法闘争』影山日出弥共著 労働経済社 1967
  • 『憲法と沖縄』吉田善明, 影山日出弥共著 敬文堂出版部 1971
  • 『現代法講義 憲法』編 三省堂、1981
  • 『憲法判例の研究』共編 敬文堂 1982
  • 『日本国憲法資料集』樋口陽一共著 三省堂 1985
  • 『争点ノート憲法』編 三省堂、1991
  • 『新・判例コンメンタール日本国憲法』浦田賢治共編(三省堂、1993年)
  • 『社会国家の憲法理論』編(敬文堂、1995年)
  • 編著『憲法(現代法講義)』(青林書院、1996年)
  • 編著『国家の法的関与と自由 アジア・オセアニア法制の比較研究』(信山社出版、2001年)
  • 編著『三省堂憲法辞典』(三省堂、2001年)
  • 『アジア立憲主義の展望』全国憲法研究会編、編集代表 (信山社、2003年)

脚注

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先代
清水睦
全国憲法研究会事務局長
1979年 - 1981年
次代
樋口陽一
先代
浦田賢治
全国憲法研究会代表
1997年 - 1999年
次代
吉田善明