同委員会は、2024年3月7日から4月12日に当該常務取締役を含む内外の関係者20人からのヒアリングとともに、関係書類を調査。「当該常務取締役は接待交際費を捻出するために、取引業者にその領収書を引き受けさせ、実態のない『VTR製作費』として当社に形式的には虚偽の請求を行わせていました。期間は2015年から2023年までであり、当社が支払った金額は累計でおよそ3千5百万円余りとなりました」と説明。
しかし、接待交際費の内容は「業務と関連がないとまでは言えないもの」だったとし、「当該行為は不適正な経理処理ではありますが、部署においては実態が接待交際費であることが知られていたため、いわゆる詐欺の欺罔行為に当たる可能性は低く、また、私的着服、他者の図利を目的とするものではないため、横領、背任、特別背任が成立する可能性も低いものと報告されています。必要な損害賠償請求については、別途、税務の修正申告等も踏まえ、損害を確定させたうえで行う予定でおります」と報告した。
あわせて、本事案の処分について「当該常務取締役のコンプライアンス意識の低さと交際費ルールの不備を始めとする会社側の体制、双方に問題があるものと認識しております。
今後の対応策について「調査で重視されているコンプライアンス意識の徹底や内部統制システムの強化のみならず、人事制度の変革にも取り組むこととします」とし、「役員、社員に対するコンプライアンス教育の徹底」「接待交際費等のルールの見直しと明確化」「制作部門、さらに経理、内部監査室、監査役の多重的チェック体制を構築」「内部通報制度のさらなる周知と利用の活性化」「部局を超えた人事異動ルールの導入」「女性の積極的登用を始めとしたダイバーシティの推進」の6つを挙げ、再発防止に努めると報告した。